映画『カルロス』の実在像とは?

「『カルロス』の実在とは?結局どんな男だったの?」

南米ベネズエラの裕福な家庭に生まれ育ち、ロンドンやソ連でテロリストに必要な破壊工作を学び、パレスチナでテロリストデビューを果たしたカルロス。その後、いろいろなテロに関与し、名を売り、カリスマテロリストとして世界中に知られるカルロス・ザ・ジャッカルことイリイチ・ラミレス・サンチェス。
ここでは、彼の実像、本当はどういう男だったか?を映画の作品を通じて考察していきたいと思います。

(1)破壊的で官能的な男

劇中でカルロスは妻にこう言い放ちます。
「俺は女にモテるんだからしょうがないだろ!嫌なら出ていけ!」
このセリフが彼の実像を言い表しています。
この映画では、カルロスと女性の官能的でエロティックなシーンがたびたび差し挟まれ、それがこの作品の見どころの一つにもなっています。
カルロスはたいへん色気があり、官能的であり、女性にモテモテの男です。
そのため、非常に傲慢であり、自己中であり、独善的です。

これは、ただ女性に対してだけの態度や姿勢ではなく、実はテロリストとして、テロの指揮者としての彼の基本性質なのです。
すなわち、破壊的で官能的、不遜で自己中な男、それゆえに女性は色気を感じるという俗欲にまみれた男がカルロスの実像です。

(2)矛盾と欲にまみれた半生

劇中で同志がカルロスに吐き出します。
「お前は、今やビッグ・スター。闘っているのは革命の大義ではなく自分のためだ」
詰まる所、カルロスという「カリスマテロリスト」は、民衆のためではなく、革命家を気取っているけど、その実我が身が可愛く、命も惜しく策や裏切りも平気で弄して、有名になったのは、「我欲のため」に他なりませんでした。
革命家のマスクを被った政治家、共産主義者のマスクを被った拝金主義者というのが実像に近いのは映画を見ている者には自ずと伝わってきます。

だからこそ、哀しい人間の物語だと映るのです。