超長編映画『カルロス』

「映画『カルロス』の名前の由来はなに?」

長編映画『カルロス』は2010年に、オリヴィエ・アサイヤス監督の下フランスで制作された長編映画です。
実在の国際テロリストをモデルに、全三部構成から成るこのドキュメンタリータッチの映画の総上映時間は実に5時間半を超える超長編となっています。
ここでは、まず、『カルロス』とは何なのか?その人物とはどんな生い立ちで世に出てきたのか?という点を大まかに考察していきたいと思います。

(1)裕福な生まれ育ち

『カルロス』と呼ばれた男はその本名をイリイチ・ラミレス・サンチェスといいます。
南米ベネズエラの首都カラカスで1949年に裕福な資産階級の家の長男として誕生しています。父親の職業は弁護士であり、またブルジョアであるにも関わらずかなり熱心な社会主義思想家であり、
イリイチという本名も、ソビエト連邦建国の父・革命家レーニンの名から取って名づけられています。
裕福で恵まれた家庭環境で育ったイリイチは、カラカスの名門の子弟の通う有名校に通い、父親の多大なる影響と勧めもあり、学生共産党に入党します。
その後は、潤沢な資金を持つ父親の支援を受け、イギリスへ留学。奔放な青春時代をロンドンで送りますが、その後は、ソ連の首都モスクワにあるパトリス・ルムンバ名称民族友好大学に留学し
特別破壊工作を専攻し、テロリストやスパイになるための素養を学びます。しかし、かなり不真面目な生徒であったようです。

(2)『カルロス』の由来

その後、イリイチは1969年にヨルダンへ行き、世界中のテロリストと交流をするようになります。
そして、1970年に、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)に加わり、テロリストとして本格的に活動を始めることとなります。
映画のタイトルにもなっている『カルロス』という名前は、こうしてテロリストとなった際に名乗ったコードネームです。
カルロスは俗称(仇名)「カルロス・ザ・ジャッカル」とも呼ばれ、有名なフレデリック・フォーサイスの小説『ジャッカルの日』から名付けられたそうです。